ジャンボ鶴田さんの論文

彼は、1996年の自らが書いた論文にこう記している。
プロレス名勝負の条件とはなにか。私は次の7視点をあげたい。
1. どう言う内容の試合「環境」であるか。それぞれのステータス「格」はどうなっているのか。例えば全英、全米ゴルフのように。
2. 相手の人間の体格はふさわしいか。
3. どういうプレイ内容の試合であったか。
4. エクセレントな名勝負だったのか。
5. 試合を通して何を学んだか。
6. 勝つか、負けるかと言う真剣勝負といえるのかどうか。
7. 個性的な名人芸、演技であったかどうか。
7番の視点はちょっと間違うと華麗なる見世物になる危険があるが、重要な視点である。演技力の境目はなにか。それは本当の試合の勝負から来るプレイの能力と観客の期待感が切れないギリギリのところである。これはオーバーな演技力ではなく、きちんと線の引かれたここまではと言う範囲の中になければならない。そうしないと、たんなる見世物に怠溌してゆく。みんなに評価してもらえる範囲の両者の演技力の違いは、手前の所でキチンとした名勝負として、どこまでのレベルに踏み込むと鶴田スタイルのレスリング世界に入り、ここまでならという一線が引けないとダメである……
彼は他にも論文の中で「日本プロレスの現状と課題」など、今こそ考えなければならないであろう問題提議をしている。こんなレスラー、もう現れないんでしょうか?私はそんなジャンボ鶴田の一番輝いていて恐ろしく強かった時代の試合を実況アナウンス出来て幸せです!鶴田さん、安心してください!あなたが戦いの中でそれはそれは高い壁になって育てた後輩たちの次の世代が「プロレス」を守っていますよ。